2023年11月2日 NHK「あしたが変わるトリセツショー」で放送された、「睡眠のトリセツ」をご紹介します。
寝つきが悪い・眠りが浅い・睡眠の質を高めたい方必見のトリセツです。見逃しがちな睡眠不調の2大原因である“隠れ光不足”に気づく技&お手軽対策や、自覚がない“隠れ鼻づまり”で睡眠の質悪化&特製チェックリスト大公開!日本睡眠学会の理事長と副理事長が登場し、睡眠の質をアップする秘策を伝授してくれました。ぜひ参考にしてみてください!
温熱効果でリカバリーを促進、明日の朝が楽しみになる【Recovery Sleep】
睡眠不調の隠れ原因①「光不足」
仕事、エンタメ、ショッピング、何でも家の中でできる生活スタイルでは、睡眠に必要とされる光の明るさ (ルクス) が不足しがちです(※ルクス[ l x ]:物体の表面にとどく光の明るさを示す単位のこと)。
起床後、約3時間以内に2,500ルクスを15分以上浴びることが重要ですが、現代人は隠れ光不足になりやすくなっています。
“第3の目” に光を届けてメラトニンを制御しよう
ヒトが眠るには〝睡眠ホルモン〟と呼ばれる「メラトニン」を体内で増やす必要があります。そしてメラトニンをコントロールするのに重要なのが、2,500ルクス以上の強い光です。生きものには光を感じるための器官があり、第3の目として露出している種もあります。
人間の第3の目は、脳の中の松果体という器官。目の網膜に光が入ると、その信号が松果体に届き約15時間後にメラトニンが増えるという〝睡眠タイマー〟をセットすることができます。
隠れ光不足解消のためのQ&A
日本睡眠学会 内村直尚理事長が教えてくれた、隠れ光不足解消のためのQ&Aです。
✅光の浴び方のポイント
Q. そもそも 隠れ光不足だとどんな症状が現れる?
A. 主に、「寝つきが悪い」「朝起きられない」「起床時にだるい」などの症状があります。
Q. 直射日光じゃないとダメ?
A. 日傘やサングラス、日焼け止めなどを使用していても、屋外に出れば十分な明るさを得ることができます。番組の実験では、雨の日でも十分な明るさを得られました。
Q. 光を浴び始めて どのくらいで効果が出る?
A. 1か月ほど続けることで、夜に眠くなるという睡眠の習慣が整っていきます。
Q. 朝 光を浴びられない生活パターンの人は?
A. 昼などに起きる生活パターンの人も、起床後約3時間以内に光を浴びることで睡眠タイマーがセットされます。
✅長く続けるためのコツ
Q. 外に出るのが面倒な場合は?
A. 屋内でも、窓のそばで顔に光が当たる向きで過ごすことで十分な光を得ることができます。
※絶対に太陽は直接見ないでください。
Q. 15分以上連続で浴び続けるのが難しい場合は?
A. こま切れに浴びてもOKです。ただし起床後約3時間以内に浴びるようにしてください。
睡眠不調の隠れ原因② 「鼻づまり」
睡眠中に鼻がつまる!? ナゾ現象
番組では睡眠に悩む人に協力してもらい、鼻の中をMRIで可視化!すると就寝中に空気の通り道(鼻腔)が狭くなっていることが確認できました。これは、鼻の粘膜(画像の白い部分)がむくんでしまったことが原因です。
人が眠りにつくとき、全身の毛細血管が広がり体温を下げる仕組みが働きます。鼻の粘膜にも毛細血管が張り巡らされているため、就寝時には鼻の粘膜がむくみ、人によっては睡眠に影響が出るケースがあります。
日本睡眠学会・千葉伸太郎副理事長 直伝!鼻ケア法
睡眠不調が鼻づまりにある場合、試してみる価値があるのが鼻うがいです。2週間ほど寝る前に行うと、効果がある可能性が!鼻うがいの専用器具は、薬局などで購入できます。
鼻うがいのポイント
① 水温と塩分濃度
250mlのぬるま湯に、食塩約2gを溶かして生理食塩水を作ります。(温度:約38℃ 濃度:約0.9%)
※水温は熱すぎても冷たすぎても、鼻の粘膜を傷つけるおそれがあります。
② 姿勢と声
前かがみの姿勢で「あ〜」と声を出しながら、両鼻で2回ずつ行います。片方の鼻から入れた食塩水は反対側の鼻の穴や口から出てきます。
※食塩水が肺や耳に誤って入るのを防ぐため、必ず声を出して行ってください。
③ 仕上げに鼻をかむ
鼻の中に残った食塩水や鼻水を出すために、軽く鼻をかみます。
※余った食塩水は、作り置きせずに捨ててください。
隠れ鼻づまりチェックリスト
② アレルギー性鼻炎がある
③ 特に眠りはじめにいびきをかく
④ 夢の途中で頻繁に目を覚ます
⑤ 起床時に口が渇いている
睡眠時間を確保しているのに起床時にスッキリしないという人で、上記チェックリストのうち①、② のどちらか1つ、もしくは ③、④、⑤で2つ以上当てはまる場合は、睡眠不調の原因が「鼻づまり」である可能性があります。
【チェックリスト監修】
・千葉伸太郎 医師(太田睡眠科学センター 所長・日本睡眠学会 副理事長)
・原浩貴 医師(川崎医科大学附属病院 主任教授・日本睡眠学会 理事)
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。ぜひ参考にしてみてくださいね。
[放 送] NHK総合 毎週 木曜 午後7時57分
【司会】石原さとみ
【声】濱田マリ,峯田茉優
【語り】山路和弘
[番組内容] MC石原さとみがお届けする新・生活科学情報エンターテインメント番組!
食・健康・生活、あらゆるテーマを、最新科学と大実験・大調査をもとに解き明かし、真のお役立ち情報満載の「トリセツ」にしてご紹介!